Web電通知でコストの削減とサービスの質の向上の両立を実現した事例

株式会社カーフロンティア
マーケティングユニット ゼネラルマネージャー 神田 寛さま

カーフロンティアは、車のアフターケアーマーケットを中心とした事業をさまざまに展開しています。そのサービスのひとつ、「timy(タイミー)」では、コストの削減とサービスの質の向上を目指してWeb電通知を導入。「パソコンの前にいつもいるわけではない」という業界に対して、とても効果的なシステムだと語ります。

株式会社カーフロンティア
マーケティングユニット ゼネラルマネージャー 神田寛さま

Webを見ないクライアント様への対応
~コールセンターで対応するしかないと思っていた~

展開している事業について教えてください。

カーフロンティアは車のアフターケアマーケットを中心としたWebサービスを展開しています。

今回、Web電通知を導入させて頂いた、カーメンテナンスの予約サイト「timy(タイミー)」の他にも6つのWebサービスを運営しています。

2017年9月にローンチした「timy(タイミー)」は、車を所有するユーザーにとって必要なこと、例えば洗車やタイヤ、オイル交換、車検といったメンテナンスを、お近くのガソリンスタンド、整備工場、カーディーラー、カー用品店といった、サービスを提供するクライアントに対し、いつでも簡単にオンラインで予約ができる、というサービスです。

今まではユーザーが知りたいカーメンテナンスの情報は点在しており、一か所に集約できていませんでした。それを集めてオンライン予約活用してもらう、というのが、このサービスのコンセプトです。現在はβ版で、ユーザーよりむしろ、クライアントとの提携を増やしているところです。

どのような課題があったのでしょうか?

カーメンテナンスでは、「タイヤがパンクした」とか「時間が空いたので洗車したい」といったユーザーの欲求は突然、やってくるものです。そのようなユーザーが必要とするタイミングで、すぐに予約ができるサービスが必要だと考えて「timy(タイミー)」をスタートさせました。ところが、対するクライアントは現場の作業を優先しており、常時、パソコンに向かっているわけではありません。

つまり、ユーザーが予約メールを送信したとしても、クライアントはすぐにチェックして返信できるわけではない、ということです。場合によってはメールが来ていることにも気づかないこともあり得る。そのような事態をスタート時から課題と捉えていました。

そのため、我々が運営しているタイヤ交換の予約サイト「TIREHOOD(タイヤフッド)」では、ユーザーから予約が入ると、コールセンターがクライアントに電話をして「予約が入りました。メールを確認してください」というサポートを行っていました。

人が対応していたのでは面倒ですね。

そうです。もっとも困るのことは、クライアントがメールに気づかず、予約を入れたユーザーが出向いたら「そのような予約は受けていません」と回答してしまうことです。なので、「timy(タイミー)」でもコールセンターで対応するしかないかなと思っていました。

インフラに強く、カスタマイズも対応してくれるサポート体制

Web電通知を導入した経緯を教えてください。

悩んでいたとき、コムスクエアさんからWeb電通知の提案を頂きました。このシステムならユーザーが予約を入れると予約内容が音声データに変換されて、自動的にクライアントへ電話してくれる。クライアントもパソコンは無理としても携帯電話でなら常時の対応は可能です。ユーザーの「すぐに予約をしたい」というニーズと、クライアントの「予約を簡単に受け取りたい」というニーズが合致する、と思い、導入を決定しました。
もちろん、「TIREHOOD(タイヤフッド)」でも、導入することにしました。「パソコンの前にいつもいるわけではない」という人たちの多い業界には効果的なシステムだと思います。

01Web上のアクションを音声化してお知らせ

Web経由の通知はパソコンや携帯の画面での確認が必要で、即時対応が必要なのに見落としが発生しやすいことや24時間365日の監視が難しいことが課題です。Web電通知は電話の「気づきやすさ」や即時性を使って、24時間365日の「無人即時通報サービス」を可能にします。

02高性能音声合成エンジンによる自然な発声

カタコトではなく、ナチュラルな発声を行える高性能音声合成エンジンを実装しています。受電者が聞きやすい音声にて、より正確に通知を行います。

03再生順序も自由自在にカスタマイズ

用途やシーンに合わせて、読み上げ項目順序を自由にカスタマイズ可能です。聞きなじみのある順序にすることで、違和感なくご利用いただけます。

04電話通知の結果をボタン操作でお知らせ

受け付けた通知に対して、電話機のボタン操作で受電結果をお知らせします。入力者に対する素早いリアクションを可能にします。

Web電通知のどのような点がよいと思われていますか?

「timy(タイミー)」は、ユーザーからクライアントにきちんと予約が伝わる状況を作りたかったことがこだわった点でした。
そのため、重視したのは電話回線の太さ。電話はつながるもの。つながらなければ意味はありません。ユーザーは困っているから予約を入れるわけで、その困っているタイミングでクライアントに電話がつながらないとサービスの悪評につながってしまいます。それを防ぐには電話回線のインフラに強いことが重要でした。

インフラを評価した、ということですね。

そうです。あと、クライアントには予約を管理できる「ピットロック」という台帳も提供しており、どのユーザーから予約が入ったのかを把握することができます。予約のデータはクライアントにも届くし、Web電通知で連絡も行く。その二段構えもよいところです。

「ピットロック」は定休日など、予約が入って欲しくない日があるとoffにしてもらう。予約を受けられる日だけをonにしておく。すると、予約が入って欲しくない日や、すでに予約がある日にユーザーは新規で予約することはできなくなります。そのようなことも自動で行うことができるようになっています。

この「ピットロック」の構造はとてもシンプルです。「顧客管理をしたい」とか「経理と連携したい」といったクライアントの声はあるのですが、要望を聞き過ぎると逆に使いこなせないものになってしまいます。そのような機能は経営者には刺さるのですが、現場にはまったく刺さりません。

確かに機能が多すぎて使えないということはありますね。

目指したのは「アルバイトでも簡単に使えること」でした。特に地方のクライアントに出向くと「インターネット」と言っただけで「難しそう」と思われ敬遠されてしまう。ファーストインプレッションで難しさを感じさせないことが重要でした。「ピットロック」だと処理も簡単にポンポンポンと3クリックで完了します。

コムスクエアのサポート体制はどうでしょうか?

インターネットのため、ユーザーからの予約は深夜になることもあります。深夜に予約が入ったからと言ってそのまま電話をクライアントにかけるわけにはいきません。深夜でなくとも営業時間外も同様です。
とはいえ、そのことで受注機会を損失させるわけにもいかない。そのため、コムスクエアさんに相談させて頂き、深夜に入った予約はまとめて次の日に電話をする、決めた時間内だけに電話をする、1回のコールで出ない場合は何度もかけ直すなど、カスタマイズしてもらっています。

コムスクエアさんはそのようなカスタマイズにも柔軟性を持って対応してくれる。ユーザーやクライアントの悩みを相談できる、というのがとても嬉しいことでした。

コストの削減とサービスの向上を図る

Web電通知のメリットはいかがでしょうか?

ひとつは最初に言ったコールセンターの必要がないため、コストを削減できること。これは一番大きなメリットです。それと、もうひとつは、やはりお話しましたが、クライアントに説明に行くと「これは簡単だね」と言ってもらえることです。

クライアントの業務フローを改善する、サービス品質を向上させるためにシステム化してもらう、というスタンスでクライアントに営業していますが、Web電通知のシンプルさが刺さることが多いです。

ちなみに、導入していなかったらどうされていました?

コストをかけてコールセンターを作っていたでしょうね(笑)。我々の方からクライアントにいくら「頻繁にメールを確認してください」とお願いしても、それは無理なこと。それに、ユーザーの予約が伝わっていなかった、というクレームがあった場合、クライアントへのクレームにとどまらず、「timy(タイミー)」へのクレームとなってしまいます。「使えないサービス」と評判を落としてしまう。今はβ版ということもあり、サービスの充実を重視しているのでユーザーにもクライアントにも便利であることを目指しています。

コールセンターだとユーザーとクライアントが増えれば増えるほど負荷も増えて行く、という悪循環になってしまいますよね。

昔、飲食業界や美容業界が同じような「いつもパソコンを見ているわけではない」という業界でした。でも、今ではネットで予約を受けることが当たり前の時代。カーサービスの業界もいつかはネット予約が当たり前の時代が来るかもしれませんが、それをただ待つわけにはいきません。

クライアントの成熟を待つしかなかったわけですね。

都会のクライアントは比較的、インターネットに慣れていますが、地方のご年配の方がひとりで経営しているようなクライアントだと難しい。だけど、車を頻繁に使うのは都会ではなくむしろ、地方に住んでいるユーザー。交通手段が車しかない、家族に一台ではなく家族ひとりひとりに一台。そのため車が摩耗する頻度も多い。余計にメンテナンス頻度も高くなります。我々としても戦略として需要の多い地方を強化したい、という想いがありました。

車の未来を開拓して行くことが責務

現在のクライアントの数は?

今はまだ、500~600件といったところです。「TIREHOOD(タイヤフッド)」はそろそろ1600件に行くかな、というところですが、全国にはガソリンスタンドだけでも何万件もあるので、まだまだ先は遠い。
現在は車の保有台数が多くて走行距離の長い愛知県を中心にクライアントに向けて営業をかけているところです。

地域を集中させる理由は、ユーザーにすれば選択肢が多い方が比較できるからです。「timy(タイミー)」はクライアントの評価もできるようになっています。例えば1km先に星1つのところがあるけれど、2km先には星5つのところがある。だったら少し遠いけれど星5つのところに行くかとか。ユーザーには、どこに行くかを悩んで頂ける状態を作りたいと思っています。

ユーザーにすれば便利になりますね。

今、多くの方は車を購入されたとき、ディーラーさんに勧められたメンテナンスパックにそのまま入り続ける、というケースだと思います。でも、費用は若干、高め。とはいえ、あちらこちらの整備工場を調べて見積を取って、なんてするのも面倒です。我々がカーサービスの多くの情報を開示することでユーザーの新しい成功体験が生まれればいい、と考えています。
もちろん「結果、ディーラーさんがよい」でもいい。大切なのは比較検討できることだと思っています。

今後の構想を教えてください。

カーメンテナンスの世界は今後、コネクテッド化して行くでしょう。タイヤにICチップが組込まれ、摩耗状態がわかるようになったりするでしょう。すると「そろそろタイヤの交換が必要です」と車が音声でアナウンスしてくれるようになる。他にもオイルの交換時期とか、メンテナンスが必要なことがわかる。そのような情報と「timy(タイミー)」が連携する、対応できる世界を早め早めで作りたい。

また、「timy(タイミー)」は、Webサービスというより、デバイスを選ばないデータベースだと考えています。ガソリンスタンドや整備工場、カーディーラー、カー用品店の情報を集めたデータベースです。
今はWebサービスとして展開していますが、いずれはデータベースのインフラに育てて行きたい。そのためにはクライアントをもっと集める。データベースは情報の量が重要。
そして、車×地図でサービスを提供している企業と我々の持つ情報と上手く連携したい。

車はそのものがIoT端末として、パソコンないしはスマホのようなモノになって行くでしょう。そのような時代を見越して手を打って行かないと時代に遅れになってしまいます。特に車の世界はスピードが早い。私たちは先の先の先にアンテナを張ってサービスを作って行かなければならない。そのことで我々の描く「未来」へとつながって行くはず。我々は「カーフロンティア」という社名の通り、車の未来を開拓して行くことが責務だと感じています。